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弔辞 沼沢勝善 組合長

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             弔辞
沼沢組合長、沼沢さん。

今日も小国川は、流れています。清らかな、川が流れています。
アユ、サクラマス、イワナ、ヤマメ、ハナカジカ、 が数多く泳ぎ、
そして夏は、子ども達がザッコしめする。釣り人が全国から訪れる
 豊かな川が、今日も流れています。

それは
貴方が信念と行動をもって守り続けてきた小国川です。

夏、川岸にたち、偏光グラスをかけて、その豊かな小国川のアユ踊る水面をうれしそうに眺め、そしてその豊かさを伝える貴方の生き生きとしたその姿は、私の、私達の脳裏に焼き付いています。

私が沼沢さんにお会いしたのは、平成13年最上小国川ダムを考える懇談会の時からです。その懇談会は当時、ダム推進を述べる人30人。ダム反対を述べていたのは沼沢さんを中心に3名。
 その後の流域小委員会は10人の委員会、9名のダム推進論者に囲まれた中で一人、沼沢さんだけが、小国川や赤倉温泉で起きている真実を語り、ダムによらない治水を訴えておられました。

多勢に無勢の説明会、公聴会でも、どんなヤジが飛んでも、誹謗中傷がいわれても、ダムによって、小国川そのものの力を失うことは、ここを訪れる人、ここに住み続けたいという人の幸せを奪うことにつながるのだ、と、未来に、手渡すべきものを見据え、情熱と、そして微動だに、ぶれない信念をもって、そして理路整然と、堂々と意見する姿がそこにありました。

随分ご一緒に勉強しましたよね。今本先生、大熊先生、桑原先生、熊本先生、紹介した先生方から科学的な論拠を求め続け、それを次々と自分の言葉にしていっておられました。

 ダムが二つもあっても水害で死者を発生した新潟水害の現場も大熊先生と一緒に見にいきましたね。
 前田国土交通大臣にもお会いし、堂々と川の真実を述べ、大臣も小国川の美しさ、豊かさに感動しておられました。


 そもそも、小国川のアユを冷水病にしてはならない、川の力を失ってはならない。と、放流アユとしての琵琶湖のアユを、断り、小国川産、山形県産のアユを三瀬で育苗して放流する、自然の営みを大事にしたアユの放流事業を全国に先駆けて率先しておこなったのは、沼沢組合長、貴方でした。

 毎年毎年、7月1日を過ぎると毎週のように有名釣り具メーカー釣り大会が行われ、その度に数百人が一関にずらりと並び。そして3万人の釣り客が小国川を訪れる風景は、貴方がつくってきたものです。

森と川と海をつなぎ、本来の「川の力」を失わせない漁業振興。
山形県内の内水面漁業で、全国的にも評価を受ける、最も優れた漁業振興の方策を先駆け、実践してきたのは、紛れもない小国川漁協であり、その一番の貢献者が、日々川や漁協の仲間の事を思い、漁協を導いてこられた貴方です。

 あなたの信念と行動は全く淀むことなく、本物の漁業・観光振興と、真実の治水対策について、常に真実を求め、本質を堂々と発言し、行動をしておられました。その度に私達は心を打たれ、そして意見を交わし行動を共にし、これまでを歩んで参りました。

旅立たれる前々日 にも嶋津先生と打ち合わせし、そして前日にもお電話いただき、1時間以上にわたって話合いましたね。それが最後になるとは夢にもおもっておりませんでした。
傍にいながら支えきれず、誠に申し訳ありません。


昨年末、本来であれば、あなたの活動を賞賛し、応援し、川を守る側につくべき 山形県と水産行政が、漁業権の剥奪を楯にし、ダム建設を強要するという法的にも不当といえる脅しをかけてきました。
その恐怖と不安が貴方を精神的にも肉体的にも縛り付けていたことを知っています。

権力の巨大な圧力からどうしたら小国川を守り、全国から来る 釣り人の、楽しむ顔をみるのをこそ生き甲斐としている、漁協の組合員の方々を守れるのか。
毎日毎日ずっと、懸命に全身全霊で考え続けておられました。

そして、ついに貴方を死に追いこんでいった。
この政治や行政の病理、理不尽に、私達は、憤りをもたずにはいられません。貴方を死においつめていった、この責任をどうとり、償うのかと。

 この清らかな小国川の清流を守り、未来の赤倉温泉や流域のために、貴方や、100名を超える多くの科学者が語り続けてきた真実の治水の方策を完全に無視したまま、それをねじ曲げ、ダムで川や流域の幸せを淀ませようとする不当な行為を、私達は決して許しません。

貴方は出席した「協議会」の中で、漁協の代表としてこう述べています。改めて噛みしめたいと思います

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「最上小国川は、ダムのない川であるが故に、ことさら「清流小国川」として広く知れ渡り、最上町と舟形町のかけがえのない観光資源であり、流域の人々に計り知れない多くの恵みをもたらしていることは誰もが認めることであります。
 小国川漁業協同組合は、川に生息している魚族の生態系を守る事及び繁殖保護に努めることを使命として、永年努力しております。ダムが造られれば、これまでの自然環境に変化を及ぼし、特に河川の生態系に悪影響が及ぶことを回避することはできません。
 生息している魚族の生態系を守り、これらの増殖保護を行いながら良好な漁場を維持していくことを使命とし、豊かな自然環境を後世に引き継ぐため努力している私共小国川漁業協同組合は、ダム建設を看過することはできないのです。
 小国川に育っている魚種は、質、量とも一級品として多くの人々から認められ、自然豊かな素晴らしい川として羨望され、たくさんの釣り人が訪れるのです。恵まれた自然環境は、人の手によって造られたものではありません。多くの豊かな漁場があり「清流小国川」として広く世間に認められている大きな観光資源を未来に引き継ぐためにも、最上小国川の治水対策はダムに依らない対策を要望します。
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全身全霊で語られた、その言葉を私達は絶対に忘れません。

あなたというかけがえのない、同士を失った私達は、とても悲しさとさびしさとそして怒りと無念で一杯になります。
 私達は、命をかけて、次世代のためにも、小国川を守ろうとがんばり続けてきた、貴方の信念と行動を胸に刻み、その遺志をしっかりと継いで参ります。私達はあなたの無念の死を決して無にしません。

本当にこれまでの精一杯の人生、ありがとうございました。 
あとは、ゆっくりとあの川面を見つめる笑顔で、先立たれた同じ信念をもつお仲間と共に、天国から、私達の行動を、そして奥様やご家族の人生をどうか見守っていてください。


今も、貴方の真心と同様の、ダムのない、よどみなき、濁り無き豊かな清流、小国川は、ゆるやかに流れ続けています。
そしてなお、小国川は未来に向けて、清らかに、流れ続けます。

心からご冥福をお祈りし、貴方への誓を込めて。


平成26年2月12日。最上小国川の清流を守る会 共同代表 
山形県議会議員、 草島進一

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